「お前、
じゃね?
だろ!俺の事覚えてない?昔同じテニススクール通ってたじゃん!赤也だって」
なんやねんこの状況。
『合宿の時だけマネージャーをさせていただくことになりました。よろしくお願いします』
そう言って
が期間限定マネージャーになったんは昨日の事だ。
今日は合宿。
関東の強豪校と合同合宿だったらしい。
そもそも合同合宿だからマネージャーというか接待係が必要だったらしい。
合同合宿の相手は去年全国大会で優勝した立海大附属中。
神奈川県の学校やって部長が言っていた。
「あ、赤也くん!うん、覚えてる。ひ、久しぶりだねっ」
そういえば
は大阪に来る前は神奈川に居ったんやっけ。
目の前に居るなんかもじゃもじゃした髪型の奴が
の昔の知り合いだということはよくわかった。
で、なんでこうなるんや。
「お前ってそんなに恥ずかしがり屋だっけ?なんで隠れてんだよ」
「う、うん!ちょっと久しぶりすぎて緊張して」
「緊張?っへへ、まあ俺格好よくなったしな!」
「う、ううううん!そうだね」
なんで俺は
の盾代わりにされてるんや。
こいつ、切原赤也をみるなり光の速さで俺を盾にして隠れたのはなんなんや。
3年間こいつと一緒に居ったけど、こいつが誰かと会ったとき緊張したとかで俺を盾にしたことなんて今まで一度もない。
苦手なんか?こいつのこと。
「
、まだテニスやってるんだよな?ここに居るってことは」
「や、やってるよ。で、でもテニス部には入ってないの。今日はお手伝いなの」
「は?なんで?お前普通に強かったじゃん!小4の時1回俺に勝ったことあったし」
切原がそう言ったとき
がびくぅっと震えたような気がした。
俺の知らない
。
別にええけど、なんか違和感。
「あれはたまたまだもん」と言った
がなんだか泣きそうな顔をしているような気がした。
「
ー!ドリンク作り教えたるからこっちー」
遠くから謙也さんが
を呼んでいる。
こっちのほうも忘れてたわ。
は切原に手を振って謙也さんの方へ駆けて行った。
俺も行こう。
今、謙也さんは俺の中で要注意人物や。
『
ちゃんマネージャーやってくれるん?』
謙也さんを侮っていた。
昨日初めて知った。
と謙也さんが入学式のときにたまたま知り合ってメールしてたこと。
しかも毎日メールしてたやて?
ふざけてるわ。
俺の知らない
。
引っ越してくる前の
は知らないし、
が誰とメールしてるかなんていちいち知らん。
最近部活入ってから
と一緒にいた時間がどんどん減っている。
俺の知らない
が増えていく。
違和感。
離れていくのがわかる。
「光くん?どうしたの?」
「俺も行く」
「光くんもドリンク作りたい?」
「
に作らせると何入れられるかわからんし」
「変なものなんて入れないもん」
こんなに必死なんや。
少しは気づいてくれてもええやん。
この鈍感の塊が。
誰よりも近くに居たつもりだった。
だからこそ、許せなかった。
俺の知らないお前ばかり
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